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合格したけりゃ1回読んどけ

    元エリート営業マンが塾・予備校、大学受験、キャリア論など、読み手にとってなるべく有益な情報を。

受験期の親子のアンガーマネジメント -怒りで人生の選択肢を狭めないために-

受験論 その他

受験においては受験生だけでなく保護者にも色々な気苦労があると思います。

この時期は受験結果が良くなかったり浪人が決定したりすることで親子関係がギスギスしてしまうこともよく耳にする話です。

 

例えば私のいるDIET STUDYは超少人数制の塾で生徒1人1人と密にコミュニケーションをとっているためか、生徒から親の愚痴を聞かされることもあれば、保護者の方から受験や生徒の様子について尋ねられることも頻繁にあります。

受験生は多感な年代でもあり、親子関係が必ずしもうまくいくとは限らないようです。

 

そんな中で目の当たりにするのは

「親子間でのミスコミュニケーションが生徒の更なる成績低下や不幸を引き起こしている」

という悲しい現象です。

残念ながら今までも非常に多くの例を見てきています。

 

第三者的立場からその様子を見ていると歯がゆい思いをすることがあるのですが、第三者から見ているからこそ気づくことができ、アドバイスできることもあります。

 

キーワードは「怒り」です。

 

私は「アンガーマネジメントファシリテーター」という資格を持っているのですが、その知識を使いながら分析してみたいと思います。

 

  1. 子供は親の注意を「怒られた」と受け取る
  2. 「怒り」は伝染し、誤った決断を引き起こす
  3. 「怒り」は第二次感情
  4. 「怒り」をコントロールするには

 

 

1.子供は親の注意を「怒られた」と受け取る

 

「全然成績上がってないじゃない!」「なんで勉強しないの!」「やる気あるの?」「このままじゃ浪人にだぞ!」

少々極端な例ですが、親が子供に言いそうなフレーズです。

語気の強弱は色々でしょうが、子供の現状や将来を心配して発せられた言葉であると思います。

親からすれば、親として当然投げかけるべき言葉であり、放置するよりもよほど有意義だと思っているはずです。

 

適切なタイミングで子供を鼓舞することはもちろん必要なのですが、ここで重要なことは、子供がその言葉を「どのように受け取るか」ということです。

これらの言葉を少し強い口調で発しただけで子供は「親に怒られた」と感じます

 

例えば成績が悪くても、冷静に相手を案じるような表情で「どうして今回の成績は悪かったの?」と問いかければ子供は「心配してくれているな」「心配かけないように頑張らなきゃ」と思うはずです。

しかし親の「怒り」を感じ取った瞬間、それが親子間のミスコミュニケーションに繋がります。

 

2.「怒り」は伝染し、誤った決断を引き起こす

 

イライラしている人を見てイライラした経験はありませんか?

例えば私は最近カフェで、サラリーマン風の男性が恐らく部下に対して電話で怒っているのを聞いて、自分は何の関係もないのにイライラしてしまいました。

 

実は『「怒り」は伝染しやすい』という性質があるのです。

 

つまり親の「怒り」を感じた瞬間、子供の中にも「怒り」が生まれます

どんなに正しいことを言われていても、自分のことを心配しての言葉だと理解できても、その口調から「怒り」を感じ取った瞬間に子供の中にも「怒り」が生まれてしまうものなのです。

 

その怒りはかわいいもので「口答え」、大抵は怒りの感情をぶつけ合う「親子喧嘩」、ひどい場合には「勉強のボイコット」等に繋がります。

このような生徒を何人も見てきました。

 

親のそもそもの目的は怒りたいのではなく勉強してほしいとか頑張ってほしいとか、そういった願いだったはずなのに、気づけば子供のやる気を削ぎ、非生産的な結果を招いているのです。

 

その他にも怒りの性質には

・身近な対象ほど強くなる

・高い所から低い所へ流れる(吐け口を探してしまう)

というマイナスのものがあります。

この性質を見れば一目瞭然ですが実は家族というのは最も怒りをぶつけてしまいやすい対象なのです。

 

ではどうすれば良いのでしょうか?

私は「怒り」の本質を親子双方が理解するだけで関係は大きく改善できると思っています。

 

3.「怒り」は第二次感情

 

「怒り」は第二次感情であると言われています。

第一次的な他の感情から、二次的に生まれてくる感情が「怒り」なのです。

 

第一次感情には様々なものがありますが、不安・つらさ・苦しさ・痛さ・嫌悪感・疲労感・寂しさ・悲しさ・・・・などなど。

こういった感情が蓄積されていくと「怒り」となって溢れ出てきます。

これが「怒り」の本質、発生メカニズムです。

 

例えば門限の話などが分かりやすいでしょうか。

門限を過ぎても帰ってこない子供に、初め親は「ちょっと心配」になります。

さらにしばらくしても帰ってこないとなると、どこかで何かあったのではないかと「大きな不安」が押し寄せてきます。

そんなときにひょっこり子供が帰ってくると、親の第一声は大抵「おかえり」ではなく「今までどこで何してたんだ!」という「怒り」の言葉になります。「心配」「不安」が蓄積されていった結果「怒り」となって溢れ出た例です。

ちなみに、帰るなりいきなり「怒り」をぶつけられた子供は面食らうか、瞬間的に伝染した「怒り」を反射的に返してしまい親子喧嘩が勃発するかもしれません。

 

さて、受験に話を戻しましょう。

浪人が決まった、成績が伸びない、勉強している様子がない・・・

親の心の中には子供の将来への不安や焦りが募っていくはずです。そして、いよいよ子供に注意をしなければというときには不安が溜まりに溜まっているため「怒り」を帯びた言葉が発せられてしまうのです。

 

もし、このとき親が自分の第一次感情を冷静に分析できていたら、また仮に親が怒っているときに、その第一次感情に子供が目を向けることができたら・・・感情の衝突は回避できるはずです。

 

4.「怒り」をコントロールするには

 

「怒る」ことでは決して悪ではありません。

必要なときには正しいタイミングで正しい強度で「怒り」は表現するべきです。

「怒らない」のではなく「怒りをコントロールできる」ようになることが大切です。

 

まず前述のように、第一次感情に目を向けるだけでかなり冷静になることができます。

自分がイライラしているなと思ったら、「怒りの源になっている自分の第一次感情はなんだろう」と1度立ち止まって考えてみればいいのです。

すると「あ、自分は少し焦っていたんだな」とか「不安にかられていたんだな」とか、第一次感情が見えてきて、そもそもその第一次感情を解消する方策を冷静に考えることができます。

 

また、反射的に怒ってしまうことも避けたいものです。

日本アンガーマネジメント協会では「6秒ルール」を推奨しています。

怒りの感情のピークは6秒経てばおさまると言われています。

仮にイラッとしても「頭の中で6秒数える」「手のひらにイライラしていることを書く」などして6秒程度やり過ごすことができれば頭にのぼった血は引いていき、冷静に対処することができるようになります。

これを習慣として身につけるには日々のトレーニングが必要ですが、取り組む価値はあるかと思います。

 

親が「怒り」というただ1つの感情をコントロールできないだけで、受験生が人生の選択肢を狭めてしまう可能性があります。非常に悲しくもったいない話です。

そんな悲惨な結末を回避するために、少しでも参考になる点があれば幸いに思います。

 

今年うまくいかなかった人は下記も参考にしてみてください。

yuto-nagawa.hatenablog.com