合格したけりゃ1回読んどけ

    元キーエンス営業マンが塾・予備校、大学受験、キャリア論など、読み手にとってなるべく有益な情報を。

浪人を迷っている人、浪人が決まった人に読んでみてほしいオススメ記事一覧

毎年、浪人するかどうか迷っているという相談を多く受けます。

また否応なしに浪人が決まってしまい、これから1年どう過ごしていけばいいか途方に暮れている人もいたりします。

 

当ブログでは過去に「浪人のススメ」と題した記事を投稿したところ、反響を多くいただきました。

 

勉強法、塾選び、心構え、将来への影響など・・・

浪人生の方が気になる情報を下記にまとめていきますので、参考にしてみてください。

 

浪人生はどんな塾・予備校を選ぶべきか【地方在住者は宅浪?上京?オンライン?】 - Studyコーデ

 

浪人生の3月の過ごし方【オススメの勉強内容も公開しています】 - Studyコーデ

 

浪人生の入試との向き合い方 <浪人生の強みと弱みの視点から> - Studyコーデ

 

大学受験は「独学」で乗り切れるのか - Studyコーデ

 

浪人すると就活で不利になる!?【いいえ、浪人生は就活で有利なんです】 - Studyコーデ

 

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ビジネスマンと受験生は同じマインドを持つべきだという話

私が立ち上げた「Studyコーデ」というオンライン大学受験塾では、HP(Studyコーデ – オンライン専門塾 (studycoorde.com))などをご覧になった方から「ビジネススキルと受験勉強ってどのように結びつくんですか?」「キーエンスの仕組みが受験勉強に反映されているんですか?」などと質問をいただくことがあります。

 

仕事と受験は非常によく似ていると考えています。つまりビジネス的な考え方を受験勉強に適応できますし、受験勉強に戦略的に取り組めばビジネス的思考も身につくのです。

 何がどう受験勉強に活かされるのか書いてみたいと思います。

 

  1. 受験勉強は仕事と同じである
  2. 仕事は結果を出してなんぼである
  3. 結果を出すにはプロセス管理が必要である
  4. 効果を手っ取り早く出すには経験豊富な先輩に聞くのが早い
  5. 精神面の充実は必要不可欠である
  6. 未来に繋がる感覚

 

 

受験勉強は仕事と同じである

 

Studyコーデは受験勉強を「仕事」「タスク」と捉えています。

受験は試験日という「期日」が明確に決まっており、その期日に合格という「成果」を出さなければなりません。

仕事にも「納期」というものがあり、顧客等々から「成果」が求められます。

 

期日までに決められた成果を出すためには、そこまでに必要なプロセスを描き、実行する必要があります。受験勉強とは数年にわたる大きなタスク管理のプロジェクトなのです。

 

つまり受験勉強とビジネスの基本性質は同じなのです。

 

仕事は結果を出してなんぼである

 

受験は結果が全てです。

しかし、大きな勘違いをしている受験生が多くいます。それは「プロセスがいつの間にか目標になっている」人です。手段の目的化というやつです。

例えば「1日14時間勉強する!」という宣言をしている人。頑張り屋です。

でも勉強時間とはあくまでも結果を出すために必要な1要素、プロセスです。それをきちんと理解したうえでの宣言でしょうか?14時間の勉強からどのような成果が得られるか目論見はあるのでしょうか?

14時間勉強しようが、3時間だけ勉強しようが、本番で点数を高くとったほうが合格します。それが受験のルールです。

仕事も同じです。(受験よりもプロセスや努力姿勢を評価してもらえることが多いかもしれませんが)結局最後に一流と認められる人や評価される人は結果を出した人です。

 

長時間の勉強に意味がないという話ではありません。まず必要な「成果」を認識し、そこからの逆算で「プロセス」を決める思考回路がなければ、「結果がすべて」である受験というプロジェクトは破綻します。

 

Studyコーデではプロセスは重視しつつ、最も重きを置いて管理するのは「成果=小テストの点数」です。毎授業細かくテストを実施し、理解度や暗記度を測ります。結果がすべての受験において、日々結果に着目するのは当然です。

テストは数か月に1回の模試で十分などと考えている人がいますが大間違いです。

自分が結果を出せるようになっているのか、日常的に確認し、うまくいっていないときは即時プロセスを修正する。これが最終的な大きな成果につながります。

 

結果を出すにはプロセス管理が必要である

 

結果が全てとは言え、プロセスが成果を産むわけですから、プロセスの充実は最重要です。

前段で書いたように、あらゆるプロセスは「必要は成果から逆算」されるべきです。

さらに逆算は何段階にも突き詰めておこないます。

 

例を挙げれば

〇〇大〇〇学部に合格したい←英語の点数が合格点まで20点足りない←文法問題の失点をなくせば20点増やせる←文法問題のなかでも整序問題の失点が多い←整序問題で失点するのは構文の理解が足りないからだ←構文の参考書を2周すれば大丈夫そう←全200ページの参考書を2周だから400ページ分の勉強だ←30日後には改善していたいから1周目は10ページずつ、2周目は20ページずつ進めよう

 

長くなりましたが成果から逆算してプロセスを決める思考とはこのようなものです。

こういった逆算を英単語暗記でも長文読解でも英作文でも、さらには他の科目の勉強に関しても、変化する残り時間の中でバランスを考えて計画を組み、その計画通りに実行していかなければなりません。

もちろん、うまくいかないこともありますから、リバランスや臨機応変な修正力も必要となります。

このようなプロセス管理ができなければ成果=合格が出ることはありません。

正しいプロセス目標の設定とその管理が受験の命です。

 

効果を手っ取り早く出すには経験豊富な先輩に聞くのが早い

 

ですがここで問題が発生します。

成果からの逆算が必要だと理解できても、多くの受験生は「そんなこと言われても自分には無理だよ・・・」と思うのです。

なぜならば大学受験というものが初めてなので、〇〇大学合格という最終成果の設定はできても、それがどの程度のレベル感で、そのためにどのような力が必要で、どのようなプロセスをたどっていけばいいのか、イメージできないからです。

 

ビジネスも同じです。社会人1年目から活躍できる人が少ないのは、やはり自分の仕事の全体像や、出すべき成果の具体的イメージが持てていないからです。

 

さて、どうすればいいでしょう?

1番早いのは、それらのイメージ、感覚を既に持っている人に助けてもらうことです。

〇〇大学合格に必要なプロセスは何か、ちゃんと理解している人に全部教えてもらえばいいのです。

具体的なイメージが湧けば、そこに向かう勇気や希望も湧いてきます。闇雲ではなく戦略的に行動できるようになります。

 

そしてこの全体像こそ、受験指導をする人間が、受験生に見せなければならないものだとStudyコーデは考えています。

弊塾の「受験のトータルコーディネート」というコンセプトはそんな想いから来ています。志望校から逆算したカリキュラムを組み、進捗を確認し、勉強法も細かく伝える・・・ゴールまでの全プロセスに一緒に添い遂げることで、受験生1人では全く想像できなかった合格への確かな道筋が徐々に見えてくるのです。

 

裏を返せば、そうではない塾予備校もしくは塾講師などの指導者は、ある一部の情報だけを生徒に与え、それ以外は生徒に委ねてしまっているとも言えます。いい授業を見せるだけの講師って「仕事は先輩を見て自分で盗むものだ!」とか言って育成を放棄している職場の上司と同じじゃないでしょうか?それで勝手に育つのは元々ポテンシャルが高い受験生、新入社員だけです。

 

Studyコーデは、まず代表の名川が各大学ランクに対して必要な勉強量や習得すべきスキルを把握しています。6年間、1教科ではなく複数教科を総合して指導してきた経験があるからこそ把握できる全体像があるのです。

そしてそれを生徒の状態と照らし合わせて、最適なペース配分でプロセスを作成することが可能です(パーソナルカリキュラム)。

また、カリキュラムにはステップ制を採用し、必要な勉強が細分化されています。それによって何ステップ目まで進んでいるかという進捗状況が一目で分かるようになっています。

そして前にも述べたように、各ステップの内容に対する小テストを都度実施することで、理解度や暗記度=成果を徹底的に把握します。

もし成果が出ていなければ、原因をプロセスにさかのぼってたどり、テコ入れをします。

 

精神面の充実は必要不可欠である

 

さて、このように進捗状況や成果の管理が徹底していれば、自動的に成果がついてくるかと言えば、実はそうではありません。

受験生は機械ではなくヒトです。「気持ち」がついてこなければ、どんなに精密なプランがあっても絶対に最後までたどり着けないのです。

受験生のメンタルという、ソフト面をしっかり支えることがプロセス管理と同等に必要です。

受験生は挙げればキリがないほど様々な壁にぶつかります。

それらを全て自分で解決して進める人は稀で、絶対に周囲のサポートが必要になります。

 

そのときに鍵になるはコミュニケーションです。

何にぶつかり、悩んでいるのか、受験生自身で分かっていないケースが頻繁にあります。

指導者は生徒の言葉、表情、成績データ、過去の経験など全てから状態を把握し、解決策を提示しなければなりません。

 

特に必要なスキルが「聞く力」です。

ビジネスに例えれば営業職が分かりやすいかもしれません。営業マンは世間一般には「話し上手」な人がなるべきだと思われています。しかし実際に成果を出せる営業マンは「聞き上手」です。

どんなに上手な話し方でPRができたとしても、相手がそれを必要としていなければ売れません。しかしまずは相手の話をよく聞き、相手が欲しいものを理解し、そのうえでその商品のPRをすれば売れます。

セールスに限らず、折衝や交渉が上手なビジネスマンは、皆それを心得ています。

 

受験においても、しっかり受験生の意図を汲み取ったうえで悩みを解決し、背中を押してくれる存在がいれば、その受験生はスムーズに合格に近づくことができます。

 

Studyコーデは24時間質問OKにしているほか、週1回は必ず面談を実施して生徒の状況をヒアリングします。その講師は一流企業の営業マンだった経験があり、聞く力に長けています。さらに多くの受験生を見てきた経験もあるので、ある程度悩みや障害のパターンを心得ています。そんな環境の中で、生徒と講師が二人三脚で受験まで進むことで、辛くてつまらないことも多い受験勉強がなんとか続けられ、合格に近づけるのです。

 

未来に繋がる感覚

 

悩みまではいかない愚痴のレベルでは「受験勉強なんて将来役に立つんですかね?」という疑問をぶつけられることがあります。つまり無意味なことをやっている感覚があり、どうしてもモチベーションが湧かないわけです。

「はっきり言って知識として役に立たないものは多いよ。でも受験勉強自体から得られることは多いよ」とStudyコーデでは伝えています。

 

逆算思考も、自己管理も、自己客観視も、受験勉強に本気で取り組むにあたって必要になることは、大学生になっても社会人になっても必要になります。

それらを受験を通していち早く身につけられることは、必ず人生の糧になります。

また、受験勉強で成功体験が得られれば、自分に大きな自信を持つこともできます。

 

いま教科書を開いて覚えようとしている武士の名前は、受験を終えたら二度と目にしないかもしれませんが、受験勉強に真剣に取り組むことによって得られるスキルやマインドは、必ず人生を豊かにしてくれます。

 

Studyコーデでは「自己管理スキル養成講座」が英語の全員必須の授業の中に組み込まれています。例えばPDCAタイムマネジメント四象限やGrowth mind setなど、多くの社会人が知っているようなオーソドックスなコンテンツを受験勉強に役立つかたちにアレンジしたものです。

大して面白くもない受験勉強だからこそ、少しでもそこに意義ややりがいを見出せるように、自分の未来に繋がっていると感じられる受験生活を送ってもらうことが、Studyコーデのひとつの目標です。

成績が伸びる塾と伸びない塾のたったひとつの違い【あなたの塾は大丈夫?】

どうやら最近の報道を見ていると「コロナで仕方ないからオンラインでなんとか対応」というスタンスの記事が散見されます。
つまり世間一般の人は「オンライン塾は成績を伸ばしにくい」と考えている傾向があるようです。

 

そこで今回は、オンライン塾だと成績が伸びないと思われる理由、

そしてどんな塾、どんなオンライン塾なら成績が伸びるのかを考えてみたいと思います。

結論から書きますと、カギは『コミュニケーション』です。

 


まず初めに、成績が伸びない受験生の特徴を考えてみましょう。

  1. 嫌で勉強しない、サボりがち(=自己管理が下手)
  2. 部活などが忙しく、やる気はあっても勉強時間が取れない
  3. 勉強方法が間違っているor非効率
  4. 分かった気になっているだけで身についていない(=理解度が低い)
  5. モチベーションの浮き沈みが激しい

突き詰めて一言で言えば「量が足りないか、方法が間違っている」わけですが、上記のような項目が理由として想定されます。

 

では成績を伸ばす塾がどのような塾かと言えば、『①~⑤を改善できる塾』ですよね?
これは対面式、オンライン式、関係なくです。
①~⑤が成績が伸びない理由なら、それを潰せる塾がスタイルを問わず生徒の成績を上げることができるはずです。

そして恐らくオンライン塾は成績が伸びないと考えている人々は①自己管理や④理解度が対面式に劣るからだと考えているのだと想像できます。

しかし、これは対面というスタイルならば改善ができることなのでしょうか?
勉強が嫌でやらない子は、対面式の塾に通えば最低限授業には出るかもしれません。でも復習は?問題演習は?自分でしっかりやるでしょうか?
また理解度も同じくです。対面式の塾なら誰でも何でも理解できるのでしょうか?分からないことがあっても積極的に質問に行ける子は多くありませんし、不明点が対面なら解消されると言える根拠はどこにもありません。

 

では、①~⑤を改善できる方法は一体どこにあるのか・・・
それは『講師と生徒のコミュニケーション』です。
コミュニケーション量が多ければ、そして講師のコミュニケーションスキルが高ければ、①~⑤は全て改善が可能です。

 

①のように勉強してくれない子どもに関しては、保護者も教育者も、子どもと接するほとんどの人の悩みの種でしょう。
どうしたら目の前の勉強嫌いの子に勉強をしてもらうことができるのか。
もちろん興味を引いたり、ご褒美制度を設けたり、色々な方法はあります。
ただ、講師がコミュニケーションにより上手に導くことができれば状況は改善できるはずです。

特にコミュニケーションの「量」が大事です。
約束をしたり宿題を出したら、それを丁寧に確認することはもちろん、期日より前の中間時点で進捗の確認をするようにすれば、補正ができたり緊張感を与えることができるかもしれません。
生徒も先生が細かく確認をしてくれば、やらなきゃなという気持ちが少しは芽生えるでしょう。いつも近くで自分を見ている人がいるという感覚は、緊張感やモチベーションや安心感や、いずれにせよ生徒にプラスの効果をもたらします。

 

②のようにやる気はあっても量が確保できないタイプであれば限られた時間の中で、計画を細かく立てる必要があります。
スケジュールの組み方などは大人のほうが上手です。コミュニケーションを取って細かい隙間時間などを洗い出し、提案してあげれば生徒も行動に移しやすいはずです。
ただ単に「もっと勉強しましょう」という講師もいるのでしょうが、それははっきり言って無責任です。

 

③の勉強法は非常に重要です。せっかくの生徒のエネルギーや努力が、正しい方向に使われていなかったら、それほどもったいないことはありません。
しかしこれは授業だけを提供するような塾、講師では指導できない部分です。コミュニケーションを取る中で、ズレていることに気づき、正しくかつ本人が納得度をもって取り組める方法を模索していく必要があります。

 

④のように「分かった気になって終わっている」パターンも、授業だけ提供するような塾、講師には気づくことができません。ひとつには細かい小テストで習熟度を把握する方法があります。ただしテストの点から理解度の低さが把握できたとして、なぜそうなってしまっているのかという原因は本人とコミュニケーションをとって探っていく以外ありません。そうやっていく中で勉強時間が足りないのでは(①②)とか、やり方がズレているのでは(③)などと仮説を立て、一緒に試行錯誤していくからこそ、正しく効率的な勉強に近づき、結果として理解度も向上するものです。

 

⑤のモチベーション管理はコミュニケーションが必要な最たるところです。そしてここは仕事の範疇として見ていない塾や講師も多いところです。
受験年度の1年間、ずっとメンタルが安定している受験生はとても珍しいでしょう。模試の判定、友人の合格など、自分の心が内部外部の様々な要因で乱されるシーンが多々あります。そんなとき、一人で乗り越えられる人もいるでしょうが、やはり誰かの支えがあったほうが回復が早いことは言うまでもありません。日頃からコミュニケーションをとり、信頼できる講師が近くにいれば、多くの受験生を見てきた経験も踏まえ、講師から適切なアドバイスがもらえるでしょう。

 

以上のように、生徒と講師のコミュニケーションが細かく取れればこそ改善できることがたくさんあります。
またお分かりかと思いますが、ただコミュニケーションをたくさん取ればいいわけではなく、講師側には勉強法やモチベーションまで、受験生を正しい方向に導く高度なスキルが必要になります。

この観点から考えたとき、対面であろうがオンラインであろうが、コミュニケーションを軽視している塾において、生徒の成績が伸びるかどうかは完全に生徒次第です。
理解力のある生徒、自己管理のできる生徒、メンタルが強い生徒は勝手に成績が伸びていく可能性はありますが、逆に全く変化がない場合も大いにあり得ます。

しかし対面でもオンラインでも、コミュニケーションが上手にとられている塾であればより良い方向に生徒を導くことができる可能性が高まります。

 

長くなりましたが結論です。


オンライン塾でも対面式と変わらずに成績は伸びます。
むしろ一方通行の対面塾より、双方向型のオンライン塾のほうが伸びます。

それほどに講師とのコミュニケーションは成績に影響します。
ただし講師のコミュニケーション能力による部分はかなりあります(アルバイトでは不安)


上記を踏まえて塾を探してみましょう。

キーエンスというホワイト企業の実態

キーエンスという会社をご存知でしょうか?

今回は受験からは少し離れてキーエンスという会社について書いてみます。

※2017年の記事の情報を更新した記事です。

 

新年度の入塾面談をしているとキーエンスを知っている生徒の保護者から

キーエンスだったんですか!? 優秀なんですね」

キーエンスだったんですか!? 収入下がったでしょう?」

キーエンスだったんですか!? 体が辛かったんですか?」

とだいたい3パターンの反応をいただきます。

 

1番上はありがたい言葉ですが、下2つの質問にはいつも笑ってしまいます。

 

キーエンスは製造業に欠かせないセンサや測定器などの精密機器を開発・製造・販売している会社です。

BtoB企業ですので一般の人の目にはほとんど触れることのない会社ですが、事業内容とは関係のないところで結構有名です。

 

キーエンス”と検索すれば目に飛び込んでくるのが

 合理的経営で超高収益を生み出している 

 給料が超高い

 激務と徹底管理で社員は疲弊している

こんなフレーズたちです。

 

だから、いま塾講師に転向している私のことを保護者の方々が心配してくれるんだと思います(笑)

 

散見される情報というか噂に対して、元社員として私見を書いてみます。

 

<超高収益>・・・ホント

 細かいことはネットで検索すれば色々出てくるので興味のある方はそちらをご覧ください。

営業利益率が50%を越える高収益企業であることは明白な事実です。高収益なうえ無借金経営で、仮に売上がゼロだったとしても十数年間は社員を養えると説明会で聞いた記憶があります。

就職活動をしていた学生時代、無知な私は利益率50%越えという驚異の数字に大した凄さを感じていませんでした。

むしろ東芝とかSHARPとかよく聞く名前の会社の利益率が2%とか5%とか1桁%だと知って、あんな大人数で働いてそんな利益しか生み出せなくて一体何がしたいんだろうぐらいに思っていました。今になって見ると凄さが分かります。

 

キーエンスの高収益の理由は徹底した合理主義にあります。

営業・開発の双方が加速的に業務を遂行できるように様々な合理的ルール・仕組みが随所に用いられ、社員がそれに乗っかっていくだけで大きな利益が生み出せます。

また生み出された利益はこれまた合理的にしっかりと社員に還元されます。

 

離職者も少なくない会社ですが、この合理的な仕組みに乗れるかどうかがキーエンスという会社でやっていけるかどうかの分かれ目だと思います。

仕組みに乗っかることが出来ない社員は淘汰され、乗る気がない社員は自分から辞めていきます。

私に関しては乗っかりながらも辞めてみましたが、それについてはまた別の機会に書いてみたいと思います。

 

<超高収入>・・・ホント

 東洋経済などの雑誌がたまに特集する「給料ランキング」で必ず上位にキーエンスはランクインしています。 

toyokeizai.net

前述の通りの高収益を社員に還元していれば、当然の結果とも言えます。

私がいた当時は入社4年目ぐらいの20代社員が普通に1000万以上のお給料を貰えました。今では1,2年目で1000万あるとかないとか・・・。

個人的にはそこまでの価値の仕事をしているんだろうか・・という疑問は常に感じていましたが、くれるのでもらってました。

ずっといれば8億もらえてたみたいですね。

 

<超激務と徹底管理>・・・半分ホント

 誰が思いついたのか「キーエンスは30代で家が建ち、40代で墓が立つ」というなかなか秀逸なフレーズがネット上に流れています。

収入は高いが激務だということですね・・・

 

しかし、これは真実ではありません。

かなり昔にそういう体質があったという話は聞きましたが、自分が知っているここ10年ぐらいは、むしろホワイト企業の部類だと思います。

全国に営業所がありますので部署や上司の性質で環境の差はあるのかもしれませんが、全社的に21時頃には帰宅しなければいけませんし、客先との接待なども禁止されているため存在しません。本当にラクです。

過労死などがニュースなっている業界・企業もありますが、キーエンスよりも激務な会社は星の数ほどあると思います。

 

ただし、管理面には合理主義から来る細かさがあることは否めません。

営業マンは営業外出中の行動を分単位で記録して報告しなければならないなどとネット上には書かれていますが、それは事実です。

営業効率等に改善をかけるという意図から来るものですが、そういったマイクロマネジメントに閉塞感を抱く人には、確かに行き過ぎた管理と捉えられるのかもしれません。



あまり細かいことを書くのはいかがなものかと思いますのでこの辺にしておきますが、総じて良い会社だというのは断言できます。

給料が異様に高く、内情がオープンになっていないというところから憶測を呼び、世間でブラック企業的な噂が流れることも理解できますが、完全にホワイト企業です

 

その証拠に、私は自分の生徒にもよくキーエンスへの就職を勧めています。

やりたいことが明確にある人、仕組みの一部になることが苦手な人には恐らく向いていない職場ですが、一般的なサラリーマンの中で言えば圧倒的に厚遇の良い会社です。

あれはきっとKING of サラリーマンです。

 

就職活動でも非常に人気があるらしく、たまに知人経由で就活生から相談を受けたりします。

採用面接も超合理的で、営業マンに必要な「第一印象・コミュニケーション能力・論理的思考力」をシンプルに問われているものだと思います。

学歴偏重の雰囲気は全くなく、営業マンは日東駒専から早慶・国公立まで、様々な人がいますので是非チャレンジしてみてほしいです。

個人的にもキーエンスにはどんどん発展してもらって、元社員の株も勝手に上がっていくといいな〜と思ってます。

センター英語なくなるってよ(2021年度入試改革 第3回)

 

第2回では入試改革以後の問題傾向や必要な能力について説明しました。

今回の第3回ではもう少し細かい制度の変更点などを確認していきたいと思います。

 

変更点を大きく3点に分けてみました。

 

①    「高校生のための学びの基礎診断」を導入

 

全国の高校生の基礎学力定着を測定するために導入される試験です。

2019年度に高校2年生になる学年から受験可能になるようです。

まだ未決定の部分もありますが、「全国一斉学力テスト」みたいなものでありながら、大学入試に用いられる可能性もあると言われています。

 

用いられる可能性の一例としてAO入試との併用などが考えられます。

推薦・AO入試では知識を問う学力試験がない大学が多いのですが、今後はそれを認めず、この「高校生のための学びの基礎診断」の結果を共通して用いることなどが検討される可能性があります。

但し2022年度まで(制度定着確認・調査研究完了まで)は入試に利用しないという旨の記載が現時点ではありますで、現在(2017年度時点)の中学2年生までは大学入試とこのテストは実質無縁となる可能性が高いと言えるでしょう。

 

②    センター試験 ⇒ 「大学入学共通テスト」 に変更

 

第2回にも説明した通り、センター試験が生まれ変わります。

2020年度受験者から新試験となり、変更点は下図のようになります。

 

2024年度からは学習指導要領が変更に伴い、大学入学共通テストも変更となり科目数などが簡素化される予定です。

 

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大きな変更点は「記述式問題」が導入される点です。

第2回に述べたB領域の能力を測定するために導入されるもので、既に例題も発表されています。

実は今年のセンター試験でも新傾向への布石のような出題がありました。

ただ、難易度のハードルが急激に上がるというわけではなく、少々対策・訓練をすれば解答は作成できる内容だと感じています。

 

またマーク式問題の中でも「思考力・判断力・表現力を一層重視した問題」の出題が検討されており、現在モニター調査が実施されています。

例えば国語では「短歌と論評」「古文とそれについての対談」を読ませ、複数の情報を総合して捉える力を問う問題が公開されています。

確かに切り口は新しいものですが落ち着いて今まで通りのやり方で対処すれば十分に得点可能な内容です。

 

 

③    英語の4技能重視→民間試験の利用

 

20202023年度試験では大学入学共通テストの英語の成績か民間試験のどちらかの成績を利用することができますが、その内容は各大学の入試要項次第です。

2024年度以降は共通テストの英語科目は廃止され(センター試験から英語がなくなり)民間試験の成績を利用するのみになります。

 

現状でも民間試験を導入している大学学部は増えてきていますので馴染みはあるかもしれませんが、4技能とは英語を「読む」「聞く」「書く」「話す」4つのスキルを指しています。

今までの日本の英語教育・大学入試では主に「読む」「聞く」が重要視され、ペーパーテストとリスニングテストが主流でした。

しかしグローバル人材とは世界で自己表現ができなければならず、書いたり話したりして自分の意志を英語で相手に伝えなければなりません。

そのような背景から4技能が全て重要視されることとなりました。

 

しかし共通テストで4技能を測るのは大変なので、民間試験の結果を柔軟に入試に取り入れるよう、下図のような対照表を政府が作成しています。

 

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正式にどの民間試験を利用可能とするかは未定です。

また大学学部がどのランクまでの成績を求めるのかも随時変化するでしょう。

高校3年生の4~12月の間で2回受けることが許されるため高得点を狙うチャンスが2度あります。

 

ちなみに表1番左のCEFR(セファール)とはヨーロッパを中心に用いられている言語習熟度の尺度です。

ヨーロッパは多言語ですから、例えば「私はドイツ語がC1で英語がB1でイタリア語がA2」みたいな表現で自分の語学レベルを表現することができるわけです。

一般的には「B2」レベルで、その言語での大学の講義が理解できるレベルだと言われているようです。

 

 

以上のように、しばらく変化がなかった大学入試が大きな変化点を迎えようとしています。

第4回では入試改革後の大学受験に挑む受験生が今からどのような対策を練っておけばいいのかについて考察してみたいと思います。

 

 

これからの大学入試に必要な能力(2021年度入試改革 第2回)

第2回の今回は、将来的にどのような傾向の入試問題が導入され、受験生はどのような能力が求められるようになるのかを確認してみたいと思います。

 

突然ですが

「1台のバスにゴルフボールは何個入るでしょう?」

と聞かれてなんと答えますか?

 

嘘か本当か分かりませんが、以前ネット上で某一流企業の入社試験の問題として紹介されていた設問です。仮に嘘だったとしても十分にあり得そうな問題だと私は考えています。

 

さて、このような一見無茶な問いにどのように答えることができるでしょうか。

バスは小型?大型?とか色々なことが頭の中を駆け巡る人もいるかもしれませんね。

 

少々粗い言い方になりますが、このような問いに答えられる人材が、政府が入試改革を通して育てようとしている人材とも言えるかもしれません。

 

企業の入社試験と大学の入学試験を簡単に繋げてはいけませんが、第1回で見たように、入試改革はそもそも産業界からの要請に端を発しています。

ということは、入社試験である「バス・ゴルフボール問題」も入試改革で必要になるスキルのヒントにはなるかもしれません。

事実、似たような問題が大学入試でも少しずつ見られるようになってきています。

 

 

では、入試問題がどのように変化するかという話の前に、具体的にどのような「能力」が入試改革を通して育成・評価されようとしているのか確認してみましょう。

第1回では漠然と「自分で考えて創り出す力」と勝手に呼んでいましたが、当然政府主導でやっているこの改革には多くの資料やマニュアル類が公表されおり、定義づけがされています。

 

下記画像は文部科学省のHPで見ることができる高大接続システム改革会議での配布資料です。

受験生のどのような能力を、どのような試験で測定しようとしているのか。

ポイントは横軸の「A→B→C」の段階的な内容変化の部分を理解することです。

 

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(首都圏模試センターHPより)

 A:知識・理解

これは従来の日本の教育にあるような、いわゆる暗記系の勉強部分が相当します。

広く正しい知識をインプットしてこそ高度なアウトプットができるわけですから、もちろん必要な能力です。

試験で言えば従来のセンター試験のようなマーク式(選択式)問題で測ることができる力です。

 

B:応用・論理(論理的思考)

読んで字のごとくですが、Aでインプットした知識を応用的に使うことができる能力を指しています。自分の中で法則を見つけたり、論理的に知識を体系立てて使用したりすることができる能力です。

これはマーク式の問題で測ることは難しく、試験で言えば記述式の問題で、ある程度回答者の思考内容を引き出す工夫が必要になります。

 

C:批判・創造(クリティカルシンキング・クリエイティブシンキング)

Bよりもさらに発展的な力です。

視点を変えたらどうなるだろうか、そういう論理ならこういうことにもなり得るのではないか、自分ならこういう考え方をするなどと「自分独自の考えを持ち、表現できる力」です。

この力を測るには表にあるように自由に考えを表現させる小論文形式の試験をするか、面接試験をするしかないでしょう。

 

 

さて、第1回から読んでくださった方はもうお気づきかと思いますが、日本のこれまでの教育はA、良くてB程度で止まっていたと言えます。

図表を見れば分かるように、現状のセンター試験で測定できる能力はAの領域にすっぽり収まってしまい、Bにも達していません。

 

しかしこれからの時代のグローバル人材は「C」の力までが必要不可欠なのです。

繰り返しになりますが、AからBにかけての領域の仕事はAIなどの機械に取って代わられます。

 

だから入試改革なのです。

 

センター試験2020年度から「大学入学共通テスト」に生まれ変わります。

そのタイミングで記述式の試験問題などを取り入れ、図表のオレンジ部分のようにA・Bの領域にまたがった能力を判定できるテストにすることが発表されています。

そしてC領域の能力測定については各大学の一般入試に委ねます。つまり優秀な(C領域の素養をもった)学生を見抜いて確保するため、各大学が入試問題に工夫を凝らすようになっていくのです。

 

実際どの程度のスピードで各大学の入試問題が変化していくかは私もまだ分かりません。

例えばCの能力を測る小論文は採点に労力を要し、面接やグループディスカッションも時間と手間がかかります。

そのような現実的な問題と折り合いをつけながら、大学側は改革を進めているアピールを政府側にしていくことでしょう。

 

 

しかし遅かれ早かれA領域だけの対策をしていれば間に合っていた受験に関して、BCへの対策が必要になってくることは間違いありません。

アクティブラーニングを採用する高校が増え、AO入試や小論文対策の予備校が増えてきているのは、この時流を捉えてのことでしょう。

 

これからの受験生はC領域(クリティカル・クリエイティブ)の力をつける手立てを考えなければ、SGUのような恵まれた環境のある大学に入学することはできず、またその先優秀なグローバル人材として世界で活躍することもできなくなってしまうのです。

 

 

では、今からできる準備には何があるのか。

第3回ではもう少し細かい改革内容や英語の入試改革について説明していきます。

 

 

最後に...冒頭の「バス・ゴルフボール問題」はただの荒唐無稽な問いだったのでしょうか?

この企業は「〇〇個入る」という正確な数値を求めているわけではないはずです。

私にはこの企業が学生に「A→B→Cの力をフル活用して自分独自の考えをひねり出せ

るところを見せてくれ」と問いかけているように思えます。

 

既にビジネス界の一部ではC領域の能力が必要とされていることは間違いないようです。

2021年度入試改革 センター試験はなぜ変わるのか?(第1回)

センター試験がこの土日で開催されています。

ムーミンが出題されたとか、問題傾向が少し変わったなどということが話題になっています。

ムーミンはさておき、問題傾向が変化したものの中には明らかに「入試改革」の流れを意識したものが見て取れます。

 

「2020年大学入試改革」について様々な情報が飛び交っています。

教育業界にいる人間は当然なのですが、恐らくこれから受験を迎える方々も気になっているキーワードの1つかと思います。

 

実際、これから大学入試は多かれ少なかれ間違いなく変化していきます。

 

このブログでも、入試改革はどんな内容で、数年後の受験生は具体的に何をどうしたらよいのか、数回に分けてなるべく簡単に情報を発信してみたいと思います。

 

第1回  2020年入試改革が必要な理由

第2回  将来的な入試問題の傾向と求められる能力

第3回  センター試験→大学入学共通テストで何が変わる?

第4回  これからの中高生に求められることは何 

 

第1回の今回は、そもそもどうして入試改革などというものが実行されるに至ったのか、その背景を簡単に紹介しておきたいと思います。

 

 

始まりは教育業界というより産業界からの要求と言うことができます。

「世界で戦える優秀な人材をちゃんと育ててよ、大学さん」

と、簡単に言えば政府と産業界からそのような要請があったと思ってください。

 

ご存知の通り、これからのグローバル社会においては外国の優秀な企業・人材の中で日本人も戦っていかなければなりません。

日本は戦後確かに急成長を遂げた先進国ですが、どちらかと言えば一歩先を行っていた欧米の国を一生懸命に真似して成長を遂げてきた側面があります。

既に欧米が持っている知識や技術を吸収することで、進んだ国々に追いついてきたわけです。

 

しかしそこに1つの弱点があります。

それは「自分で考えて創り出す」のではなく「真似」でしかなかったということです。

本の学校教育・授業が先生→生徒大勢への一方的な性質のものであり、種々の試験が知識の吸収(=暗記)の確認に偏ってしまっていたことには、「知識を吸収して真似すればよい」という環境的な要因があったわけです。

 

さて、もうお分かりのように、これから日本で求められるグローバル人材とは簡単に言えば前出の「自分で考えて創り出す」ことができる人材です。

少し前の日本のように、知識を吸収して利用する「真似」はAIなどの機械が人間よりはるかに高い精度でやってくれる時代がやってきます。

オクスフォードの准教授が今後1020年でアメリカの47%の仕事がなくなる(自動化される)と発表したのは有名な話です。

これからは人間にしかできないことでなければ仕事にはならないでしょう。

 

以上の話をまとめて一言で言えば、政府は日本人を「自分で考えて創り出す」人材に教育していくために入試改革を決定したのです。

 

日本の国際競争力を上げていくための人づくりとして、まず大学入試を改革し、優秀な人材を育てようとしているのです。

また、もう1つ、グローバル人材に必要不可欠な素養として「英語で自分を表現できること」があり、入試英語も大きく変わるのですが、それは第4回で説明したいと思います。

 

政府は現在すでにトップ大学の中でもグローバル教育の下地があると言える大学を「スーパーグローバル大学(SGU)」と認定し、上から変えていく流れを作り出そうとしています。

※私大では早慶上智ICU、明治、立教、法政、東洋、立命館関西学院などが選出されています。

まず社会への大きな接続口である大学を変え、大学が変われば高校が変わり・・・と改革の連鎖を起こそうとしています。

 

 

まずは入試改革の背景をご理解いただけたでしょうか?

 

第2回では「自分で考えて創り出す人材」をどのような試験で測ろうとしているのか、入試改革における試験内容の改革方針について紹介したいと思います。